Ape(エイプ)50エンジン
チューニング考

エイプ50のエンジンが手に入りました。これをベースに色々と手を加えて見たいと思います。

【ホンダ縦型ミニエンジンの流れ】
1971年、SS50の後継車としてベンリィCB50JXがデビュー。10,500rpmで6psを発生した。このエンジンには、ノーティーDAX・XE50・TL50・R&P・XL50というバイクがあるのだが、カムシャフトのプロフィールを変える事により、高回転型・中低速トルク型・太いトルク型と味付けを変えていた。その後の発展型として、XE75・XR75・XR80・XL80・XLR80(50)・XR100・ドリーム50・Ape100(50)がある。既に30年以上も経過しながらも現役で頑張っている凄いエンジンである。 


【1月31日】
何でXR100やApe100のエンジンでしないの?と思われますが、100ccのエンジンは人気があるので相場が高いのです。Ape50のエンジンは結構安価で出回っています。私もこのエンジンを電装類込みで安くで入手しました。
Ape50は公道車なので保安部品を動作させる事が出来ます。XR100を公道用に電装を変更するだけでも結構な金額が掛かります。これもApe50エンジンを使う動機の1つです。
Ape50とApe100・XR100との大きな違いは排気量です。それぞれの内径×行程(ボア×ストローク)は50が42.0×35.6。100が53.0×45.0です。50ccのままではどうしようもないので、排気量を上げるのがポイントになります。

【2月1日】
前にも述べましたが、チューニングにおいて排気量を上げるのが1番なのですが、各稼動部品を加工&交換する事でロスを減らす事が出来ます。ほんの数グラムの軽量や小加工ですが、小排気量エンジンには効果があります。
バルブロッカーアームを軽量化&ポリッシュ仕上げしました。2個で10gの軽量化になります。
バルブスプリングリテーナーをチタン製に変えると2個で8gの軽量化。タペットアジャスティングナットを9mmから8mmに変えると2個で1gの軽量化になります。ナットは整備性向上のメリットの方が大かな?
IN・EXバルブの首部分を細くする事でガスの流れが良くなります。更にポリッシュ仕上げにする事でカーボンが付着しにくくなり効果大です。両方で4gの軽量化。強化バルブスプリングはカムの種類や使用方法によって使うかどうか検討する予定。硬ければ良いというものでもないので・・・。

【2月2日】
私の所有の車両(4・5号車)はXR100エンジンベースでマウントを決定している為、Ape50のトランスミッションのままではチェーンラインがズレてしまいます。
Ape50のクラッチ板は3枚なのですが、100のはクラッチ板は4枚と強化されています。(当然、クラッチスプリングも50よりも強くなっている)
100のオイルポンプはApe50の物よりも約4割増しのオイル吐出量があります。4ストエンジンはオイル潤滑は重要です。

【3月14日】
簡単にパワーを上げるには排気量をアップさせるのが近道です。ボアを大きくするのに100のシリンダーを使用したいのですが、スリーブの差込口がそのままではスリーブが入らずシリンダーが収められません。100のベースガスケットと合わせると大きさの違いが良く解かります。この部分をスリーブが入るように広げなければなりません。
それと、R(クラッチ側)クランクケースのヘッド側にオイルを供給する通路が50は100に比べて3ミリほど内側になっています。スリーブ差込口を広げるとオイル通路との差が無い為、あまり好ましくありません。R側は100のケースで考えたいと思います。
50のケースを使用するL(ジェネレーター側)クランクケースのスリーブ差込口を広げました。これで100のシリンダーが収められます。
R側は100用にする事で加工しないまま使用します。50の部品にこだわれば加工して使用しても良いのですが、100の部品はストックがあるので流用出来る部品は交換して行きたいと思います。

【2月5日】
11ヶ月ぶりの更新です(笑)。6号車の準備としてニューエンジンをエイプ50ベースで作りたいと思います。ミッションはXR100のを使います。分解・洗浄して不具合が無いかチェックします。
クランクシャフトは、ストローク56.5ミリあるスペシャル・クランクです。ノーマル(エイプ50)は35.6ミリ、100系は45.0ミリです。超ロングストロークです。
このクランクには、ノーマルに付いているフィルター機能は装備されていません。
L・クランクケースに、クランクシャフト、ミッション、シフト関係、キック・スタータ類を納めます。ガスケットを挟んでR・クランクケースを合わせればケースの出来上がりです。当然、他の部品も綺麗に洗浄してから組みました。
シリンダーヘッドは、キタコ製のSPLヘッドを使用します。バルブ径は100ccと同径です。ポート内には、給排気共に流れを整えるため?のリブが付けられています。
給気側にはインシュレーターの台座、排気側には使用済みのEXガスケットをセットします。ポート径が小さいのが良く解かります。

【2月10日】
給排気の流れは重要です。ポートを削って整形しました。単純に広げれば良いというものではなく、ガスの流れをイメージして削っていきます。
バルブは、給排気とも首が細いウエストバルブを組みました。バルブスプリングリテーナーはチタン製を組みました。

【4月20日】
ピストンは、ノーマルの53ミリに対して1ミリ広い54ミリピストンを使用します。極限までスカートが短く、肉抜きも大胆で軽量なSS(スカルストラクチャー=どくろ形状)ピストンです。圧縮比は12:1近くまでアップします。
排気量が130ccまでアップし、馬力も当然増えるので、クラッチを強化するために5クラッチキットを組みます。クラッチ板がノーマルの4枚から1枚増える事で20ps以上のパワーにも対応できます。

【4月22日】
クラッチ側、腰上を組み、エンジンの形が出来上がってきました。しかし、JRP製のクラッチカバーを組んでみたら問題が出ました。シリンダーのオイルライン取り出し口とクラッチカバーのオイルキャップが近すぎ、キャップを開ける事が出来ません。このシリンダーには別のカバーで対応しないとダメみたいです。

【5月8日】
JRP製のクラッチカバーが却下になり、ドリーム50のクラッチカバーで対応する事にしました。基本ベースが同一なので装着は簡単なのですが、クランクへのオイル通路の構造が違うので加工が必要になります。
カバーを装着して、これで完成と思ったのですが、ドリーム50のクラッチケーブルの取り回しが違い、エキゾーストパイプに干渉してしまいます。クラッチレバーをノーマルと同じになるように加工しました。

4スト‐ミニの部屋